二十四番 死闘の巻
食堂破りの旅を続けていると、
食堂の噂はいつのまにやら拙者の耳に
そよ風の如く届いて来るのである。
「量がすごい多いって!安いのにっ!」
拙者は震えた.......
もちのろん、
武者震いというもの。
大衆食堂の「大盛り」はファミレス、
はたまたチェーン店のそれとは
レベルが大きく違う。
言い換えれば
ケタ違いの量になることは
今までの食堂破りで学習済みである。
油断をすれば、己の胃の腑を破壊されるやも知れぬ.......
故に拙者、
強者との一戦を交える前の侍の如き武者震い.......
と言うよりは、
恋文を渡そうとする初恋の乙女の如きモジモジ君で
食券機の前で大盛りライスにするか悩んでいると
次のお客さんが後ろに。
さしあたり普通の「鳥南蛮定食」を選んで食券を出す。
「大盛りにしますか?卵と納豆は?」
え??
き、貴様……
千里眼かっ!?
との驚きのまま、思わず頷くとすぐさま納豆と卵がカウンターへ。
え?
追加??
オプション追加??
追加料金??
ぼったくり??
ねえ、ぼったくりなの??
とブルブル震えていると定食が……
もちろん、
その後イカついお兄さんに裏に連れて行かれ
キャッシュカードつうか財布ごとごっそりを預かられ
コンビニのATMに両腕掴まれて連れて行かれる
荒手の風俗店の笑え無いそんなひとコマ
のような訳もなくそのまま退店……
晩飯の食欲を削ぐ程のそのボリューム……
OMGにわけちゃくれねえだろうか(泣)