三十七番、妄想列車爆走中
実のところ、以前に一度すでに討ち入り済みではあったが、何となく
夜は居酒屋へと変貌しつつ、
地元のよくわからない刺繍の施されたスエット上下で
ツッカケの茶パツの夫婦と襟足だけ異常に長い
「狼カット」のガキンチョの家族が
運動会さながらのドンちゃん騒ぎな小上がり
(あくまで想像)
っぽい雰囲気だったので敬遠。
しかしながらいざ戸を開ければ昼限定の「お弁当」のコスパが素晴らしい。
己の妄想癖を今、心の底から恨んでいるのだった。
次回からは
酒焼けかガッサガサ声でぼっさぼさのパーマネントを振り乱し、
伸びた茶髪のせいで頭がプリンみたいになっちゃってる
変なワッペンが縫い付けてあるスエットで
壁に寄りかかって携帯をいぢっている娘を、
品のよろしくない「べらんめえ調」でがなり散らす母の横で、
煮つけと同じような顔色をした伸びたパンチパーマの
おっさんが焼酎をすすっている小上がり
がありそうな店も
一見にして「お仕事は?」という質問が
NGクエスチョンだという雰囲気を醸し出すおっさんが
呑み終わったビールグラスの横にさらに酎ハイグラスかつ
濁った梅干しのお湯割りをクラゲの酢の物かなんかをあてに
キメつつこっちに赤ら顔を向けTVに映った時事ネタをふってきて
「おまえもなんとかせいやっ!」
と突っ込みたい衝動をぐっとこらえなければならない昼時のカウンター
がありそうな店もすかさず討ち入ろうと決めたのだった。